クロスビーは発売当初は「HYBRID MZ」と「HYBRID MX」の2グレード体制でした。
その後、2020年10月のマイナーチェンジで、「HYBRID MZ」と「HYBRID MX」の間に「HYBRID MV」が追加されました。
「HYBRID MV」は「HYBRID MX」に「スズキ セーフティ サポート」関連装備やSRSカーテンやサイドエアバッグなどを装着したメイングレードになっています。
「HYBRID MV」は「HYBRID MZ」との間には贅沢装備以外には大きな違いがありません。
しかし、「HYBRID MX」と比べると安全装備など、走行に関する装備にかなりの違いがあります。
この記事では、その中でも進化したクルーズコントロール機能(ACC)について詳しく紹介していきます。
「HYBRID MZ」「HYBRID MV」:標準装備
「HYBRID MX」:オプションも不可
そして、これからまだまだ進化していくであろう安全・走行性能につてどのような機能が必要になってくるのかも一緒に考えていきます。
目次
クロスビーのACCがマイナーチェンジで採用!
クロスビーの2020年10月のマイナーチェンジのポイントの一つが、クルーズコントロール機能の進化です。
ここでは、まず、従来のクルーズコントロール機能がどういうものだったかを確認します。
そのうえで、クロスビーの搭載グレードと、「アダプティブクルーズコントロール」、ACCの採用について説明します。
- クルーズコントロール機能とは
- クロスビーの搭載グレードとACCの採用
クルーズコントロール機能とは
一昔前では高級車の一部にしか搭載されていなかったクルーズコントロール機能。
現在、自動車メーカー各社のCM等と見ると軽自動車ですら搭載されているのが当たり前位の時代になってきました。
ここでは、昔ながらの「クルーズコントロール」(仕様変更前のクロスビーに装備)について説明します。
こちらの機能は簡単に説明をすると、設定している速度で走行をする機能です。
例えば80kmに設定すると、通常だと上り、下りでアクセルやブレーキを踏む必要があります。
クルーズコントロールで速度設定していると自動的に設定速度になるようにアクセルをコントロールしてくれます。
機能が制御しているのでドライバーはアクセルを操作する必要はありません。
しかし一定の速度で走行させる機能なので、前走車に追突する危険があったり、急な割込みなどで車間距離が一気に近くなったりしてもブレーキ操作はしません。
そんなときは運転者がブレーキ・ハンドル操作は行わなくてはいけません。
-
クロスビーの搭載グレードとACCの採用
クロスビーの「クルーズコントロール」の搭載グレードづが、マイナーチェンジ前は「HYBRID MZ」だけでした。
しかし、2020年10月のマイナーチェンジで「HYBRID MZ」だけでなく「HYBRID MV」にも標準装備されることになりました。
加えて、従来の「クルーズコントロール」から、「アダプティブクルーズコントロール」、ACCに進化したのです。
衝突被害軽減ブレーキが「デュアルカメラ」となり、夜間の歩行者の検知も可能となったこと、車線維持支援機能の装備ととともにクロスビーの大きな進化となりました。
ACCとクルーズコントロールとの違いと使い方
ここでは、従来ノクルーズコントロールとACC(アダプティブクルーズコントロール)の機能の違いを整理し、動作イメージ、メリットを確認します。
また、実際の操作方法もチェックしておきましょう。
- ACCと通常のクルーズコントロール機能の違いとは
- ACC動作イメージ
- ACCのメリット
- ACCの使い方
ACCと通常のクルーズコントロール機能の違いとは
「ACC(アダプティブクルーズコントロール)」では、車両の前部に「ミリ波レーダ」か「ステレオカメラ」が備え付けられています。
先行車との距離を「ミリ波レーダー」、もしくは「ステレオカメラ(クロスビーはこちら)」で測定し、設定した車間距離を保ちながら自動的に加速・減速してます。
クロスビーの場合「全車速追従機能付」ですから、減速時は停止まで追従します。
先行車がいない場合は、設定した速度をキープし、前走車を検知すると前走車との車間距離を保って運転をしてくれます。
「クルーズコントロール」とは違い、アクセルに加えブレーキも操作し、設定したスピードで走るだけでなく前走車との車間距離も保った状態で走行することができます。
「クルーズコントロール」よりも「アダプティブクルーズコントロール」の方が格段に優れた機能だというのがわかってもらえると思います。
ACC動作イメージ
「アダプティブクルーズコントロール」、ACCの動作イメージを図で紹介しておきましょう。
100km/h に設定した場合の例です。
■定速走行 先行車がいない場合は、ドライバーが設定した速度をキープ。 |
■減速走行 先行車の車速にあわせて減速して走行。 |
|
|
■追従走行 先行車の車速にあわせて走行。 |
■追従走行/停止(全車速に対応) 先行車が停止した場合、自車も停止。約2秒間は停止を保持。 |
■加速走行 先行車がいなくなると、設定した速度まで加速して定速走行。 |
ACCのメリット
クロスビーの「HYBRID MZ」「HYBRID MV」に装備されている「アダプティブクルーズコントロール」、ACCは従来のものと比べて格段に進化しています。
この「アダプティブクルーズコントロール」のメリットは大きく分けて次の3点です。
安全な車間距離を確保できるので追突を抑制できる
従来の「クルーズコントロール」は一定の速度で走ることだけで、適正な車間距離の維持はできません。
ACCでは安全な車間距離を確保するという制御が常時働くので、結果的に追突の抑制という安全面での効果が期待できます。
ただ、システムが自動的に行なうアクセル操作やブレーキ操作に制限がつき、センサーの能力にも限界があるので、ACCはあくまで補助機能と考えることも重要です。
ドライバーの疲労軽減
ACCは基本的にアクセル、ブレーキ操作が不要です。
従来の「クルーズコントロール」は道路に自分の車だけならいいのですが、いろんな速度で走っている車があり、頻繁にアクセル、ブレーキ操作が必要になってきます。
ACCではこの操作が大きく軽減されることになります。
基本的に高速に低速渋滞時は効果が大きく、クロスビーの場合は停車まで自動で行ってくれます(停止後のブレーキ操作は必要)。
また、従来の「クルーズコントロール」は日本のような交通状況では使用できる場面が限られていましたが、ACCでは使用できる場面が大きく拡大するのです。
渋滞緩和
ドライバーによってバラバラな加減速の適正化や車間距離のばらつき抑制によって、渋滞の緩和も期待できるそうです。
これについいては、ACCの装着車の拡大に期待といったところですね。
ACCの使い方
「アダプティブクルーズコントロール」、ACCの操作は、これまでのクルーズコントロールと大きく変わりません。
ただ、車間距離の設定など、新しい機能もありますので、クロスビーの仕様で説明しておきます。
アダプティブクルーズコントロールパネルとディスプレイ
引用元:https://www.suzuki.co.jp/dealer/sj-kansai/news/detail/?id=6724
アダプティブクルーズコントロールを操作するパネルはハンドル右側にあり、ハンドルを握ったままで操作できます。
アダプティブクルーズコントロールの状況は、メーターパネル右側のマルチインフォメーションディスプレイに表示されます。
車速設定
引用元:https://www.suzuki.co.jp/dealer/sj-kansai/news/detail/?id=6724
クルーズスイッチ(1)を押すと、マルチインフォメーションディスプレイに作動表示灯が点灯し、目標車速が設定できる状態(待機状態)になります。
あとは、アクセルを操作して走行し、希望の車速に調節するだけです。
RES/SETノブ(3)をSET-位置(5)に動かし、マルチインフォメーションディスプレイに設定車速とACC作動表示が表示されればOKです。
このあたりは従来のクルーズコントロールと変わりませんね。
車間距離設定
引用元:https://www.suzuki.co.jp/dealer/sj-kansai/news/detail/?id=6724
これは、ACC独自の設定です。
車間距離設定スイッチ(6)を押すと、車間距離設定表示が切り替わります。
下に時速80キロ走行時の目安を引用しておきますので、これを参考に設定してください。
車間設定 | 車間距離 |
---|---|
短 | 約35m |
中 | 約45m |
長 | 約55m |
一時的な加減速
一時的な加減速をするときはアクセルペダル、ブレーキペダルを踏むだけです。
加速した場合はアクセルペダルから足を離せば通常の制御に復帰します。
減速した場合はRES/SETノブ(3)をRES+位置(4)に動かす必要があります。
設定車速の変更
アクセルとブレーキを操作して走行し、希望の車速に調節し、RES/SETノブ(3)をSET-位置(5)に動かしてセットする、最初のセットと同じ手順です。
また、RES/SETノブ(3)をSET+位置(4)で加速、SET-位置(5)で減速することもできます。
解除
クルーズスイッチ(1)を押すと解除されます。
また、キャンセルスイッチ(2)を押した時、ブレーキを踏んだ時は一時的な解除になるので、RES/SETノブ(3)をRES+位置(4)に動かして復帰する必要があります。
停車時
クロスビーの場合は「全車速追従機能付」ですから、減速時は停止まで追従します。
しかし、この状態は2秒間しか保持しませんから、必ずブレーキ操作を行う必要があります。
アダプティブクルーズコントロール(ACC)と関連機能
ここではアダプティブクルーズコントロール(ACC)に関連した機能をいくつか紹介していきたいと思います。
- 車線維持支援機能
- 車線逸脱警報機能
- ふらつき警報機能
- 自動ブレーキ(デュアルカメラブレーキサポート)
1.車線維持支援機能
車線維持支援機能とは、システムが車線を認識し、自車が車線中央付近から外れそうな場合は、ステアリングに力を与え車線中央付近の走行維持をサポートする機能です。
アダプティブクルーズコントロールに加えてこの装備があれば、運転時の負担はずいぶん軽減されそうです。
2.車線逸脱警報機能
車線逸脱警報装置とは走行中に左右の区画線を検知して進路を予測し、車線をはみ出しそうになると、ブザー音などの警報によってドライバーに注意を促してくれる機能です。
3.ふらつき警報機能
60km/h~100km/hで走行しているときに左右の白線(区画線)をチェックしてドライバーの走行パターンを計測します。
夜間の高速道路などで単調な感じの道路が続いたとき等、ドライバーの運転に「ふらつき」をシステムが判断した際には警告音とディスプレイ表示でドライバーに注意を促してくれる機能です。
こちらの機能もセンサーが作動して働く機能なので雪道やかすれている車線などは認識が困難になってくるケースがあります。
4.自動ブレーキ(デュアルカメラブレーキサポート)
「デュアルカメラブレーキサポート」は2つのカメラで、人にも車にも作動する、衝突被害軽減ブレーキです。
今回の仕様変更で、「デュアルセンサーブレーキサポート」から変更されました。
デュアルカメラブレーキサポートの作動速度は約5km/hから約100km/hで、歩行者認識機能(歩行者の場合は約5km/h~約30km/h未満)も備わり安全面で強化されました。
前方の車両や歩行者を検知し、衝突のおそれがあれば音や表示によって警告します。
衝突の可能性が高まると自動で弱いブレーキを作動し、ブレーキペダルを踏むとブレーキ踏力をアシストします。
さらに衝突の可能性が高まると、自動で強いブレーキをかけ、衝突の回避または衝突時の被害軽減を図ります。
このシステムで採用されたデュアルカメラはアダプティブクルーズコントロールに必要不可欠なものす。
だから、スズキの場合、この2つのシステムはセットで搭載されているようです。
ここまでご紹介したACCと関連機能は自動運転の実現につながる技術です。
次は自動運転に向けて欲しい機能について考えてみます。
ACCの他に自動運転に向けて欲しい機能
今後、自動運転が発達していく上でさらに必要となる機能は何でしょう。
私見にはなりますが、現在の段階である程度の項目別の機能は出ていると思います。
例えば、ぶつからないために誤発進抑制機能や車線逸脱警報機能、夜間走行の視界の悪さを抑えるためにハイビームアシスト、坂道発進での後退を防ぐためにヒルホールドコントロール、車両の横滑りなどをおさえるためにESP(車両走行安定補助システム)等々です。
その他にも安全な走行を手助けするシステムはまだまだあります。
これ以上は今現在備わっている機能の精度を上げていくことが重要になってくるのではないかと私は思います。
今の自動車のさまざまな制御システムとは人工知能(AI)の研究や技術を応用した分野です。
現段階ではまだ商品化などの話は聞かれませんが、いつの日にか完全自動運転の時代がくるのかもしれません。
そうなってしまうと、車を運転する楽しみというものが無くなってしまいそうで安全ではあるのでしょうが、その反面つまらないものになっていきそうな気がします。
次は自動運転の事故について少しだけ考えてみようと思います。
自動運転で起こってしまった事故
自動運転の技術や研究が日々進歩しているのは上記で説明したクルーズコントロール機能やACCなど他の機能の説明でわかって頂けると思います。
自動運転の研究を進めているのは日本だけでなく海外でも進められています。
そこで、自動運転中に起こってしまった事故の事例を2つご紹介します。
- 2016年5月 アメリカ テスラモーターズ の事故例
- 2018年3月 アメリカ テスラモーターズ の事故例
-
2016年5月 アメリカ テスラモーターズ の事故例
自動運転中の車両がアメリカのフロリダ州のハイウェイで事故。
大型トレーラーと衝突、運転していたドライバーは死亡しました。
原因はトレーラーの車体の色の関係や日差しの強さなどの関係で自動運転システムが相手方車両のトレーラーを「物」として認識できなかったことと言われています。
-
2018年3月 アメリカ テスラモーターズ の事故例
アメリカのカリフォルニア州で自動運転中の車両が中央分離帯に衝突しました。
運転していたドライバーは死亡しました。
事故の当時は自動運転機能は作動していて、車間距離保持機能や車線逸脱機能は作動していたとのことです。
事故が起こる6秒前にシステムがドライバーにハンドルを握るように警告を促していた記録が残っていてそれを守っていなかったドライバーに原因があると思われます。
クロスビーだけでなく新しく発売されている車の半分近くに自動運転機能がついています。
ただ、自動車メーカー側からも謳っているようにあくまでも現段階の自動運転機能や安全機能・走行機能などは補助的な位置づけのものです。
機能・性能は素晴らしいものだとは思いますが、それを過信し運転に集中しないことは非常に危険な行為です。
緊張感を持ち、注意を払って運転をすれば事故は減ります。
初心を忘れない心掛けを常に持って頂きたいと思います。
まとめ
クロスビーに新たに装備された「アダプティブクルーズコントロール」、ACCや関連安全機能について紹介をしてみました。
クルーズコントロールが大きく進化して、ロングドライブの時などは相当疲労が軽減されることが期待でき、嬉しい限りですね。
運転補助機能がさらに発達し快適で安心なカーライフが送れるようになってほしいと思います。
クロスビー 値引き最大化の秘策
クロスビーを新車で購入する時、「出来るだけ安く購入したい!」と思いませんか?
クロスビーも安全装備の充実等により車両本体価格が約200万円と高額になっています。
だからこそ、出金を減らしたいと思うのも無理はありません。
例えば、出金を減らす手段として思い浮かべるものは「値引き」ではないでしょうか?
確かに値引き額が大きくなればなるほど出金を減らすことは出来ます。
しかし、現実は排気量の小さな小型車の値引きはクロスビーを販売するスズキ社だけでなく各メーカーともに大きくありません。薄利多売で利益を出す戦略です。
だからといって、諦める必要はりません。
方法はあるのです。
知っている人は「なんだあの方法か!」と思うかもしれませんが、知らない人にとっては「そんなに違うの?」というものです。
詳細を下記の記事で説明していますので確認してみて下さい。
一度、知っている方法か確認してみても損することはありませんよ!
>> 目次ページに戻る