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スズキクロスビーといえば、クロスオーバーSUVというジャンルを築いた車なので、ミッションにマニュアル設定があるのかと思えば、実はないので個人的にはミッション設定にちょっと疑問があります。

 

よくよく考えると、ミッションにマニュアルの設定が無いのはわからないでもないのですが、このクラスの国産車の大多数に装備されているCVTではないのです。

 

クロスビーのミッションはATなのです。

 

ここでは、まず、ライバル車と比べて、この設定が妥当かどうかを確認します。

 

そのうえで、マニュアル(MT)車ではなく、CVTでもなくてATを採用した理由に迫ってみましょう。

 

目次

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クロスビーのミッションとライバル車との比較

 

まず、クロスビーに装備されているミッションを確認した上で、ライバル車とも比較しておきましょう。

 

  1. クロスビーのミッション
  2. ライバル車のミッションとの比較

 

クロスビーのミッション

 

 

クロスビーのミッションは「力強い走りを実現する6AT」だそうです。

 

ステアリングホイールにマニュアルモード付パドルシフトを装備していますが、特別なオートマチックトランスミッションではないようです。

 

最終減速比が同じなのでエスクード用に2015年に開発された6ATかと思われます。

 

ライバル車のミッションとの比較

 

ライバル車 MT AT CVT
ライズ(トヨタ)
ヤリスクロス(トヨタ)
C-HR(トヨタ) 6MT
ヴェゼル(ホンダ) 7AT

ハイブリッド車

ガソリン車

キックス(日産)
CX-3(マツダ) 6MT 6AT
イグニス(スズキ)
ロッキー(ダイハツ)

 

こうしてみると、このあたりの車ではMTは採用せず、CVT一本というところが多いようですね。

 

ヴェゼルの7ATはハイブリッド車限定ですから、クロスビーの6ATのみっていうのは、独自路線を走っていたCX-3を除けばとても珍しいのです。

 

しかし、スズキの場合、スイフト、バレーノの1Lターボ車とエスクードでは、CVTを採用せずに6ATを選択しています。

 

また、「SX4 S-CROSS」は、もともとはCVTだったのですが、2017年7月のマイナーチェンジで6速ATに変更しています。

 

こうしてみると、ライバル車はともかく、スズキは、これまで軽自動車とコンパクトカーに乗せてきた副変速機付きCVTという方針を見直しているのは明らかなようです。

 

 

次は、クロスビーがMTを採用しない理由を探っていきましょう。

 

 

クロスビーはなぜMTを採用しないのか?

 


引用元:https://toyota.jp/86/gallery/?padid=from_86_top_gallary_interior#des-int

 

クロスビーはなぜMTを採用しないかの理由は簡単です。

 

MT車の販売比率があまりにも低いからです。

 

今や新車販売台数の99%はATかCVTと言われていますから、販売台数の多いトヨタでさえ、ほとんどの車にMTは設定していません。

 

MTは車を操縦・操作している実感を強く感じられますし、アクセルレスポンスがいいので、スポーツ車には向いていますし、こういう車では設定されている場合も多いのです。

 

また、構造が複雑でないので故障のリスクが少なく、AT車と比べて車両重量を軽くすることも可能です。

 

筆者はMT車を30年乗りましたが、一度として壊れることはありませんでしたし、ディーラーもMTを交換した経験はないと言っていました。

 

カタログ燃費ではCVTに劣りますが、CVTでカタログ燃費を達成するのは不可能に近いのに、MTなら、カタログ燃費なんか軽くクリアできるのです。

 

エネルギー伝導効率では「MT>AT>>CVT」と言われていますが、CVTは効率的な回転数を使うというカタログ燃費チューニングで高燃費を確保してきたのです。

 

一方でカタログ燃費測定ではMT車には不利な条件が課せられているので、実燃費では逆転という現象も発生するのです。

 

最近は僅かばかりですが、MT回帰の動きもあるようですから、いつの日にかクロスビーにもMTを搭載してほしいですね。

 

クロスビーにMTのが採用されないのは時代背景や営業面で理解出来ますが、なぜCVTではなくATが採用されたのでしょうか?

 

 

クロスビーはなぜCVTではなくATを採用したか

 

 

ここでは、CVTのメリット、デメリットを整理したうえで、クロスビーはなぜCVTではなくATを採用したかに迫っていきます。

 

  1. CVTのメリットとデメリット
  2. クロスビーはなぜATを採用したか

 

CVTのメリットとデメリット

 

まず、CVTのメリットとデメリットを確認します。

CVTのメリット

 

  • エネルギーの伝達効率

 

CVTは本来的に伝達効率が低いトランスミッションです。

 

CVTのベルトの滑りによるフリクションロスやベルトにテンションをかける損失などもあって、CVTの伝達効率はMTやATには大きく劣ります

 

ただ、変速が連続的でエンジンの回転数変動がなく、一番燃費効率のいい回転数を使えるというのはこの欠点を補って余りあるのです。

 

結果として、燃費測定用にチューニングして制御をかけていけば、素晴らしい燃費が確保できるのです。

 

  • 低コスト

 

燃費向上を図るためには連続的でないにしても多段式のATやもっと効率が期待できるDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を使えばいいのです。

 

ただ、ATは多段式にすればするほど高くなりますし、DCTは摩擦クラッチと変速機構のセットを奇数段用と偶数段用の2系統持つという、本来的にコストのかかる技術です。

 

その点、CVTはメカニズムがシンプルですし、量産化等により低コストで提供できるのです。

 

  • スムーズな加減速

 

CVTには変速というものがないので、車速の変化に伴う変速ショックがありません。

 

このため、CVT特有の、よく言えばスムーズな加速感が実現されています。

 

  • 軽量化、小型化に効果

 

CVTは部品点数が少なくATより構造的にもシンプルなため、軽量で小型のパワートレインとすることが可能です。

 

軽量化は燃費性能向上につながりますし、小型ということはスペース効率の向上につながって、まさに今の自動車の目指している方向と合致しているのです。

 

CVTのデメリット

 

  • ドライバビリティの悪さ

 

CVT最大の弱点はエンジン回転が先行して高まって加速感が後からついてくる現象で、「ラバーバンド・フィール」と言われるかったるいドライブフィ―ルです。

 

エンジンがうんうん唸ってもパワーが付いてこないのです。

 

アクセルのダイレクト感とは程遠いフィーリングで、ファミリーカーならいいのですがスポーツ車ならちょっと考えるものがあります。

 

もちろん、現在のCVTは昔のものに比べれば操作性がダイレクトになってきていますから、気にならない方もいらっしゃいます。

 

また、ATにしても流体クラッチのおかげで、CVTほどではないにしろアクセルのダイレクト感はスポイルされていました。

 

そもそもドライバビリティなんてものは、F1やGTなどのモータースポーツ記事でチラホラ見かける、プロレーサーが気にする指針。

 

  • 高速燃費が悪い

 

CVTのメリットはレシオ・カバレッジ(最大変速比を最小変速比で除した値)が高く高速燃費がいいはずでしたが、多段式ATの普及でそうも言っていられなくなりました。

 

むしろ、高速巡航時は、エンジン側ベルトの直径は大きくなるのに対し、パワーを受け取るタイヤ側ベルトの直径は小さくなって十分にパワーが伝えられなくなるのです。

 

その結果、通常走行時は燃費がいいのに高速走行時の燃費が良くないという問題が発生するのです。

 

この問題については副変速機付きCVTで改善は可能なようです。

 

 

  • ハイパワーエンジンには不向き

 

これはクロスビーとはあまり関係ありません。

 

CVTはプーリー、特にベルト部分が滑りやすいので、構造的に高排気量のハイパワーエンジンには向かないと言われています。

 

この点も改善されていて、高排気量のハイパワーエンジンに対応したCVTも出てきています。

 

 

クロスビーはなぜATを採用したか

 

ズズキの公式ホームページでは、下記のような内容が記載されています。

 

1速~6速の変速比幅が大きく、低速域では優れた発進加速・登坂性能を実現し、高速域では静粛性と燃費性能を向上させます。

またマニュアル感覚で操作できるパドルシフトは、ワインディングやラフロードでスポーティーな走りを楽しめます。

 

これ以上の記載はないので、あとは推測になりますが、スズキの場合はターボ車に6ATを使っているという傾向があります。

 

6ATはターボでブーストした力を、CVTより高効率でダイレクトに伝えることができるというメリットがあります。

 

それが高速での伸びや静粛性・快適さ、燃費改善につながるのでしょう。

 

もともと、クロスビーの1Lターボエンジンは6ATとの組み合わせで使用されていて、この6ATと組み合わせを前提に作ったのかもしれません。

 

また、このエンジンとスズキが使ってきたCVTが許容トルクやレスポンスなどの面で相性が悪いという話もあります。

 

おそらく、エンジンとの相性やターボのトルク感、パワー感をダイレクトに伝えたいという事情、燃費はCVTに遜色ないということから、6ATの採用になったのでしょう

 

推測に過ぎませんが。

 

 

まとめ

 

クロスビーに限らず、1Lターボやエスクードのような1.4Lターボ、1.6LのSX4 Sクロスとなど、パワーのある車には6ATという方向なのでしょう

 

CVTに比べたATのドライブフィールというアドバンテージもありますが、多段化によって、ATの燃費もCVTに引けを取らなくなってきたのでしょう。

 

CVTに遜色ない性能でダイレクト感のあるアクセルフィールなら、クロスビーの6ATはおすすめです。

 

今後はMT、できれば、MTをベースにしながらクラッチ操作が不要というスズキが開発した「AGS」、クロスビーに載せてほしいですね。

 

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クロスビーも安全装備の充実等により車両本体価格が約200万円と高額になっています。

 

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例えば、出金を減らす手段として思い浮かべるものは「値引き」ではないでしょうか?

 

確かに値引き額が大きくなればなるほど出金を減らすことは出来ます。

 

しかし、現実は排気量の小さな小型車の値引きはクロスビーを販売するスズキ社だけでなく各メーカーともに大きくありません。薄利多売で利益を出す戦略です。

 

だからといって、諦める必要はりません。

 

方法はあるのです。

 

知っている人は「なんだあの方法か!」と思うかもしれませんが、知らない人にとっては「そんなに違うの?」というものです。

 

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