スズキからクロスオーバーSUVとして発売されているクロスビーですが、他の車と同様に比較対象となる車がいくつかあります。ただ、クロスビーの場合は直接競合となるライバル車は存在しません。
だから、コンセプトが似ている車が比較対象になります。
今回ご紹介するスバルから発売されている「スバル XV」も同じクロスオーバーSUVということもあり比較対象の一つとなっています。
しかし、筆者からすると「クロスビーの比較対象としていかがなものか」と感じていますので、その理由をいくつかの項目に分けてご紹介することでお伝えしていきたいと思います。
目次
エクステリア比較
まずは、クロスビーとスバルXVのエクステリアの比較から行ってみたいと思います。
クロスビー | スバル XV |
---|---|
(1)サイズ
ここではクロスビーとスバル XV の各種サイズ及び車両重量の比較を行っていきたいと思います。比較表が下記になります。
クロスビー(A) | スバル XV (B) | B-A | |
---|---|---|---|
全長 | 3,760mm | 4,430mm | 670mm |
全幅 | 1,670mm | 1,770mm | 100mm |
全高 | 1,705mm | 1,520mm | -185mm |
ホイールベース | 2,435mm | 2,620mm | 185mm |
車両重量 | 960~1000kg | 1550kg | 550~590kg |
上記の表をご覧いただくと分かりますがクロスビーとスバル XVは 全ての項目で大きな違いが見受けられます。
全長に関してはスバル XV の方がクロスビーよりも670 mm長く、 全高に関してもスバル XV の方がクロスビーよりも100mm広くなっています。
全高に関してはクロスビーがトールワゴンということもありスバル XV よりも185mm高く、反対にホイールベースに関してはスバル XV の方がクロスビーよりも185 mm 長いのです。
車両重量に関してもクロスビーが約1トンなのに対して スバル XV は約1.5トンとスバル XV の方がクロスビーよりも約1.5倍車両重量が重たいということになります。
(2)デザイン
デザインに関しては上記の画像をご覧いただくと一目で分かると思いますがまったくタイプの異なるデザインをしています。
クロスビーがこじんまりとしたどちらかと言うと可愛いデザインをしているのに対して、スバル XV は男性に受けるようなキリッとしたデザインそして、スバルが得意とするステーションワゴン特有のデザインが採用されています。
(3)エクステリアのまとめ
クロスビーとスバル XV のエクステリアのまとめとしては、クロスビーはトールワゴンに分類されているのに対して、スバル XV は一昔前に人気のあったステーションワゴンに分類される時点で全く求めるものが違う車種だと言えます。
各車のホームページを見ても、クロスビーが他の車にはない遊び心満載な趣向が施されているのに対して、スバル XV はステーションワゴンの王道を行くどちらかと言うと機能的な特徴がある車だといえます。
デザインに関してもクロスビーとスバル XV ではターゲットとする顧客が異なることが見て取れます。
次はインテリアの比較を行ってみます。
インテリア比較
クロスビーとスバル XV の内装画像をまとめたのは下記の表になります。
クロスビー | スバル XV |
---|---|
インテリアの比較を行うにあたって、インパネ、シート、素材の三つの項目で比較を行ってみます。
(1)インパネ
クロスビーのインパネは基本的なデザインはハスラーと似ていますが、軽自動車のハスラーよりも洗練されたものとなっています。決して派手さはないものの使い勝手を重視したデザインだと言えるでしょう。
一方、スバル XV のインパネは、こちらも派手さは抑え機能性重視のインパネたと画像を見る限り感じ取ることはできますし、クロスビーとの比較ではスポーティなインパネだと言えるでしょう。
(2)シート
シートに関しては、クロスビーが黒を基調とし、ワンポイントでイエローなど3色のカラーが採用されているのに対して、スバル XVは個人的には「ちょっと落ち着きすぎかな」と感じるほどシンプルなカラーとデザインという印象を持ちます。
ただ、スバル XVはオプションで黒基調の本皮シートが用意されていること、そしてディーラー装着オプションで内装コーディネートが可能となっていますので男性が好むデザインに変身させることは可能となっています。
(3)素材
素材に関しては下記の表を御覧ください。
クロスビー | スバルXV | |
---|---|---|
素材 | ファブリック | トリコット/
トリコット+合成皮革(ブルーステッチ) |
スバルXVに関しては、オプションになりますが本革シートも選択出来ます。
(4)インテリアのまとめ
インテリアに関してインパネ、シート、素材について比較してみました。
エクステリアに比べるとインテリアは比較対象にならないと言う違いは見受けられませんでした。
ただ、既にお伝えした通り2車はターゲット顧客層が異なりますので、インテリアに関してもターゲット顧客層を意識したものになっていると感じます。
動力性能比較
ここでは、走りに直結する動力性能について比較してみます。
(ハイブリッド車) | クロスビー | スバル XV(Advance) |
---|---|---|
エンジン(種類) | 水冷4サイクル直列3気筒直噴ターボ DOHC12バルブVVT | 2.0L DOHC 直噴+
モーター(e-BOXER) |
エンジン(排気量) | 996cc | 1995cc |
エンジン(最高出力) | 73(kW/rpm)/5500 | 107(kW/rpm)/6000 |
エンジン(最大トルク) | 150(N・m/rpm)/1700-4000 | 188(N・m/rpm)/4000 |
モーター(種類) | 直流同期電動機 | MA1・交流同期
電動機 |
モーター(最高出力) | 2.3kW/1000rpm | 10kW |
モーター(最大トルク) | 50N・m/100rpm | 65N・m |
ここではクロスビートスバル XV の動力性能の比較を行ってみたいと思います。
クロスビーは全てのグレードがハイブリッド車ということもあり、スバル XV もハイブリッド車「Advance」を対象に比較してみます。
動力性能でポイントとなるのがパワーに直結する「排気量」「最高出力」「最大トルク」です。
(1)エンジン
クロスビーの排気量は996ccに対して スバル XV の排気量は1995ccですので、 スバル XV の排気量はクロスビーの約2倍の排気量ということになります。
この排気量の差がパワーに大きな影響を与えています。
クロスビーの最高出力73(kW/rpm)に対してスバルXVの最高出力はクロスビーの約1.47倍の107(kW/rpm)なのです。
更に最大トルクについては、クロスビーの最大トルク150(N・m/rpm)に対してスバルXVの最大トルクはクロスビーの1.25倍の188(N・m/rpm)です。
やはり排気量の差は大きいですね。
この事実だけでも、クロスビーのターゲット顧客はスバル XV のターゲット顧客ではないと推測できます。
筆者自身に関しても、新車の購入を検討する際、1000cc と1200ccであれば 比較対象として考えますが、1000cc と2000ccを比較することはありません。
クロスビーの比較対象として考えるのであれば、よく頑張ったとしても排気量は1500cc位まででしょう。排気量の大きさは価格にも大きく影響しますからね。
(2)モーター
この記事でご紹介しているクロスビーとスバル XV はハイブリッド車を対象としているので、モーターを動力源として持っています。
ハイブリッド車のモーターが稼働するのは、止まっている車を動かすパワーが必要な場面や低速時ですので、エンジンパワーとは求められるものが違います。
極端なことを言えば止まっている車をストレスなく動かす力さえあれば良いということになります。
クロスビーに搭載されているモーターは直流で稼働するモーターに対して、スバル XV に搭載されているモーターは交流で稼働するモーターです。
モーターの最高出力は、クロスビーの2.3kWに対してスバル XVは のクロスビーの約4.3倍の10kWですので、最高出力ではスバルXVが圧倒しています。最大トルクについては、クロスビーの50N・mに対してスバルXVはクロスビーの1.3倍の65N・mとなります。
スバルXVのモーターの最高出力が大きいのはちょっとびっくりしました。
単純に数値の上では、クロスビーのモーターよりもスバルXVのモーター性能の方が高そうですね。
(3)動力性能のまとめ
動力性能ですが、ほぼ全ての項目でクロスビーよりもスバル XV の方が性能が高いと言えます。排気量がスバル XV はクロスビーの2倍ですので、妥当な結果だとも言えるでしょう。
走行性能比較
走行性能のひとつである動力性能については既にお伝えしましたので、ここでは4WDシステム性能を比較してみたいと思います。
(1)クロスビーの4WDシステムの特徴
クロスビーの走行性能に関する機能や特徴については次のようなものが挙げられます。
クロスビーの4WDシステムの特徴は次の4つのモードを用意していることです。
- SPORT
- SNOW
- GRIP CONTROL
- HILL DESCENT
SPORTモードは力強いスポーティーな走りをしたい時に使うモードで、エンジン回転数を高めにキープすることができます。
SNOWモードは名称の通り、滑りやすい雪道やアイスバーンでスムーズな発進や加速をサポートするためのモードです。
GRIP CONTROLモードは、舗装されていないぬかるんだ道などで舵を取る際にタイヤの空転を防ぎブレーキ制御をコントロールするためのものです。
HILL DESCENTモードは、急な下り坂など車速を抑えて走りたい時に有効なモードで、このモードを使用すると車速を約7km/hにコントロールすることができます。
詳細については下記の記事で説明していますのでご覧ください。
(2)スバルXVの4WDシステムの特徴
スバルXVの4WDシステムの特徴は、4WDに強いスバルの4WDシステム「アクティブトルクスプリットAWD」を 搭載していることです。
AWDと言ってるのは全ての車輪を駆動させるシステムだからです。
通常の車は車輪が四つ付いているので4WDですが、もし6つ付いていれば6WDということも出来ます。
この「アクティブトルクスプリットAWD」の特徴は、そうこうしている路面状況や走行状況に応じて前後の車輪へのトルク配分をコントロールすることです。
例えば、次のような路面状況を想定しています。
- 乾いた舗装路
- 踏み固められた雪道
- 雨に濡れた舗装路
- 砂や土などの未舗装路
上記の路面状況では、ハンドル操作やアクセルワーク、ブレーキングなどドライバーとしてもコントロールの仕方が変わってきます。
このような路面状況を走行する時にドライバーの手助けをしてくれる システムだといえます。
(3)走行性能のまとめ
走行性能としては4 WD 性能に絞って比較してみました。
4WDといってもクロスビーのシステムとスバル XV のシステムでは大きく異なります。
クロスビーの4WD システムにはそれぞれの路面状況に合わせて四つのモードが用意されていますが、4WDシステムとしては簡易的な仕組みだと言えます。
一方で、スバル XV の4WD システムは、4WD のスバルとして長年培われてきた本格的な4WDシステムを採用していることもあり、クロスビーよりも優れていると言えるでしょう。
燃費比較
クロスビーとスバル XV の燃費についてはカタログ燃費と実燃費を分けてまとめてみました。
(JC08燃費) | カタログ燃費 | 実燃費 |
---|---|---|
クロスビー | 22.0km/L(2WD) 20.6km/L(4WD) |
約16.0km/L(2WD) 約15.0km/L(4WD) |
スバル XV(Advance) | 19.2km/L(AWD) | 約13.5km/L(AWD) |
クロスビーについては、2WDがラインナップされていますが、2WDと4WDでは燃費に大きな影響を与えますので、ここでは4WDで比較してみます。
(1)クロスビーの燃費
クロスビーのカタログ燃費20.6km/Lに対して実燃費は約15.0km/Lです。実燃費はカタログ燃費の約73%ですので、一般的な性能だと言えます。
(2)スバルXVの燃費
スバルXVのカタログ燃費19.2km/Lに対して実燃費は約13.5km/Lです。実燃費はカタログ燃費の約70%ですので、こちらも一般的な性能だと言えます。
(3)燃費性能のまとめ
燃費に関しては、カタログ燃費と実際燃費では差が生じることは珍しくなく、燃費比較サイトでの実績を見る限り、実際燃費はカタログ燃費の70%から80%という結果が一般的です。
この基準から判断すると燃費性能については、クロスビーもスバルXVも一般的な性能だと言えます。
スバルXVの排気量がクロスビーの2倍であることを考えるとスバルXVの実燃費とクロスビーの実燃費が約1.5km/Lしか違いませんのでスバルXVの燃費性能の方が優秀だと言えるでしょう。
安全性能比較
最近は、どのメーカーも力を入れているのが『安全性能の向上』です。
軽自動車も例外ではなく、以前では考えられないような安全性能が標準装備となっており、その分車両価格も上昇しています。
このような背景があるため、クロスビーやスバルXVも安全性能は充実しています。
安全性能の中でも各自動車メーカーがこぞって力を入れているのが『予防安全』です。
ここでは、予防安全に絞ってクロスビーとスバルXVの安全性能を確認してみましょう。
(1)クロスビーの予防安全性能
クロスビーを製造販売しているスズキでも安全技術の開発には力を入れており、次の3つの柱で成り立っています。
- 基本安全
- 予防安全
- 衝突安全
上記の中でも事故を未然に防ぐ予防安全を対象にした技術が「スズキ セーフティ サポート」です。
クロスビーだけでなくスズキ車共通の予防安全技術です。
スズキ セーフティ サポートに含まれている機能は下記の通りとなります。
【スズキ セーフティ サポート】
- デュアルセンサーブレーキサポート
- 後退時ブレーキサポート
- 誤発進抑制機能
- 後方誤発進抑制機能
- 車線逸脱警報機能
- ぶらつき警報機能
- 先行者発進お知らせ機能
- ハイビームアシスト
- 全方位モニターカメラ
他にも急ブレーキを検知して自動的にハザードランプを点滅させる「エマージェンシーストップシグナル」、坂道で車が下がらないないようにサポートする「ヒルホールドコントロール」、タイヤのスリップやタイヤロックを抑える「車両走行安定補助システム」も標準装備されています。
(2)スバルXVの予防安全性能
スバルXVの安全性能ですが、次の4つの柱で成り立っています。
- 0次安全
- 予防安全
- 走行安全
- 衝突安全
スバルXVの予防安全機能には下記のようなものがあります。
【予防安全】
スバルXVの予防安全に関するシステムには運転支援システム(アイサイト)があります。
このアイサイトには、次の4つの目的とした機能が設けられています。
- 衝突回避(ぶつからないために)
- 運転負荷軽減(疲れないために)
- 安全運転(ヒヤリを減らす)
- 視界拡張(死角を減らす)
それぞれの機能を確認してみます。
1.衝突回避機能
- プリクラッシュブレーキ
- 後退時ブレーキアシスト
- AT誤発進抑制制御
- AT誤後進抑制制御
2.運転負荷軽減
- 全車速追従機能付クルーズコントロール
- アクティブレーンキープ
- 警報&お知らせ機能
3.安全運転機能
- スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)
- ハイビームアシスト
4.視界拡張機能
- サイドビューモニター
(3)安全性能比較のまとめ
安全性能に関して予防安全機能を比較してみました。
名称は異なるものの、機能的には同じ様な目的な機能が両車に搭載されていました。
価格比較
次は、クロスビーとスバルXVの車両本体価格の比較を行ってみます。
クロスビー | スバル XV(Advance) | |
---|---|---|
価格 | 2,003,400円~2,189,160円 | 2,829,600円 |
クロスビーは2つのグレードが用意されていますが、一番価格の高いグレードでも車両本体価格は約220万円です。
【Xbee】
【スバルXV】
一方で、スバルXVのハイブリッドモデルであるAdvanceの車両本体価格は約280万円。
価格差は『約60万円』。
この価格差は大きいですね。
これだけの価格差を見てもクロスビーとの比較対象としてはふさわしくないように感じます。
値引比較
最後は値引の比較をしてみたいと思います。
クロスビー | スバル XV(Advance) | |
---|---|---|
値引 | 15~20万円 | 20~25万円 |
値引は比較対象には関係ないですが調べてみました。
クロスビーが15万円から20万円に対して、スバルXVが20万円から25万円と5万円ほどスバルXVの方が値引き額が大きいようです。
まとめ
クロスビーとスバルXVをエクステリア、インテリア、動力性能、走行性能、燃費、安全性能、燃費、価格、値引の項目で比較を行ってきました。
予想していた通り、ほぼ全ての項目でスバルXVが上回っており、車格が上だと実感させられました。
そして、クロスビーとスバルXVのターゲット顧客も異なることもわかりました。
両車の共通点といえば、冒頭でもお伝えしたように「クロスオーバーSUV」であること。
ただ、同じクロスオーバーSUVであっても相違点はあります。
それは、ボディ形状です。
クロスビーがトールワゴンであるのに対して、スバルXVはステーションワゴンであること。
後は、クロスビーの場合はアウトドアを意識した、アウトドアでの使い勝手を意識した工夫が随所にみられますが、スバルXVは4WD性能は素晴らしいものの、クロスビーほどアウトドアを意識しているようには感じません。
よって、この両車は比較対象としてはふさわしいとは言えないでしょう。
クロスビー 値引き最大化の秘策
クロスビーを新車で購入する時、「出来るだけ安く購入したい!」と思いませんか?
クロスビーも安全装備の充実等により車両本体価格が約200万円と高額になっています。
だからこそ、出金を減らしたいと思うのも無理はありません。
例えば、出金を減らす手段として思い浮かべるものは「値引き」ではないでしょうか?
確かに値引き額が大きくなればなるほど出金を減らすことは出来ます。
しかし、現実は排気量の小さな小型車の値引きはクロスビーを販売するスズキ社だけでなく各メーカーともに大きくありません。薄利多売で利益を出す戦略です。
だからといって、諦める必要はりません。
方法はあるのです。
知っている人は「なんだあの方法か!」と思うかもしれませんが、知らない人にとっては「そんなに違うの?」というものです。
詳細を下記の記事で説明していますので確認してみて下さい。
一度、知っている方法か確認してみても損することはありませんよ!
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